Black Music 2003

2003年シーン最大のインパクトは50centの登場だろう。
体に刻まれた9つの銃創、Murder Inc.との確執、Dr.dre,Eminemとの出会い
など話題に事欠かず、無機質でありながら、真似したくなるようなキャッチ―
なライムを編み出す能力も持っている男50centは瞬く間にThug(=Gangsta)寄り
になりつつあるシーンの流れに乗りゲームのトップに踊り出た。
50は「世界で一番ラジオにかかったアーティスト」など、さまざまな記録を
打ち立て、この11月には子分達を従え(G-Unit)ニューアルバムもリリースして
いる。これもまた好調だ。
今年は50に代表されるように、ニューカマーが多かった。
ふと思いつくのをあげるだけで、chingey,Bone crasherなどなど。
Naptunesに代表されるプロデューサーがシーンへの表出することも増えた。
半年程前から、ビルボードチャートトップ10のうち八割強はブラック(アーバン)
ミュージックで独占されている。
ブラックミュージックの隆盛もここにきわまったりという感じであろうか。
ただ、HIPHOPの隆盛に対し、RnBは不振。Ashanti,Beyonce,Myaなど女性アーティスト
はチャートをにぎわしたものの、男性アーティスト達は全く元気がない。
ソロではR.Kerry位のものか。(彼は明らかに別格)
R.Kerryといえば、彼や南部出身アーティストの作り出すバウンスビートがシーンを席巻したが、
その元となるダンスホールレゲエの盛り上がりも今年のシーンを象徴する出来事だろう。